「課題山積み」を「チャンス」に変える技術―部下の欠点が強みに見える「リーダーのめがね」の作り方

前回は、「否定」ではなく「承認の言葉」を使うことが、部下の成長や組織に心理的安全性をもたらすというお話をしました。

今日は私が講演や研修でお伝えしているペップトークという言葉がけの技術の中にある「とらえかた変換」についてお伝えしたいと思います。

「また課題か……」と溜息をついた瞬間、組織の成長は停滞してしまいます。多くのリーダーが「問題解決」に追われて疲弊していますが、実は変えるべきは状況ではなく、あなたの「見方(めがね)」かもしれません 。

目次

「めがね」を変えれば、景色が変わる

一般財団法人日本ペップトーク普及協会では、私たちが物事を見るときの視点を変える技術を「とらえかた変換」としてお伝えしています。

例えば、新商品の開発や新規顧客を獲得したい、あるいはこれから新人教育をしていかないといけない、といった場面で「課題が山積みだ」という状況、どなたにでも経験があるのではないでしょうか?

そんな時に

「あー、課題が山積みだ・・・。」

と頭で考えていたらどのような気持ちになるでしょうか?

「課題山積みで嬉しい!」となる方は、もちろんそのままで良いのですが、多くの忙しいビジネスパーソンはストレスを感じたり、苛立ち、焦り、心配といったネガティブな感情が湧いてくるのではないでしょうか?

そのような感情の時に頭に浮かんでくる思考は

  • 「こんなにやることがあって、どうすれば終わるんだ」
  • 「自分たちには無理かもしれない」
  • 「うまくいかなかったらどうしよう」

こんな言葉が頭を占領すると、感情はネガティブな方に引っ張られ、体も重くなっていきます。

このように、、人は状況を見て、頭で考え(思考)、感情が湧いてくるという事を一瞬で行っているのですが、重要なのは思考によって感情が変わってくるということ。そして感情はその後の行動に影響を及ぼすという事なのです。

そこでとらえかた変換のめがねに変えて見てみる。

課題が山積み

⇒「これを乗り越えたら、すごい成果が手に入る」

⇒「自分の能力を上げるチャンス!」

⇒「こんな時こそAI活用の良い実践機会だ!」

このように考えたらどうでしょう?

やる気や希望、楽観、期待感といった前向きな感情になりませんか?

「課題が山積み」という事実は変わりません。

しかし、それを「AI活用の絶好の練習台」や「能力向上のチャンス」と定義し直した瞬間、脳のスイッチは「停滞」から「打破」へと切り替わります 。

人に対しても、使えるとらえかた変換

とらえかた変換は、状況だけでなく人に対しても使える強力なツールです。

あなたのチームに、こんな部下はいませんか?

「あの子は動きが遅くて困る。もっとテキパキ動いてほしいのに……」

この見方のまま関わると、つい「なんでもっと早くできないんだ」「いつもぐずぐずしている」という言葉が口をついて出てしまいます。もしくは口には出さなくても相手に対してネガティブな感情を抱いてしまいます。

しかし、ここでとらえかた変換のめがねに替えてみましょう。

「行動が遅い」 → 「慎重派で、丁寧にものごとを進める人」

同じ人です。変わったのは、やはり「見方」だけ。

でも、このめがねで見るとその部下の別の側面が見えてきます。

例えば

  • ミスが少ない
  • 確認を怠らない
  • 信頼性が高い
  • 大事な場面でしっかりブレーキをかけてくれる

などなど。

リーダーから「君の慎重さが、このチームの安全弁になっているよ」と言われたとき、その部下はどう感じるでしょうか。

おそらく「自分の良いところを、ちゃんと見てくれている」と感じるはずです。承認のピラミッドでいう「存在・行動への承認」が届いた瞬間です。

人は認めてもらえていると感じたとき、もっと自分の良さを発揮しようとします。

とらえかた変換は、部下の可能性を引き出すツールでもあるのです。

ネガティブな見方はなぜ生まれるのか

「頭ではわかってるけど、なかなかポジティブに見られないんですよね」

そう感じる方も多いと思います。それは当然のことです。

私たちの脳は、生存本能としてネガティブな情報を優先的に処理する仕組みになっています。

だからこそ、意図的なトレーニングが必要。

素晴らしいのは、これは技術なのでトレーニングすれば誰でも身に付けることができるのです。

(かつて部下にダメだしばかりしていた私にもできたくらいです)

これが身に付けばビジネスパーソン、リーダーとして強力な武器を手に入れることができると思うとワクワクしませんか?

今日からできる!リーダーへのワンアクション

ここまで読んでいただいた方に、今日からすぐに実践できるアクションをひとつお伝えします。

「とらえかた変換シート」を書いてみよう

紙を一枚用意して、次の4つを書いてください。

  1. 今、ネガティブに感じていること(状況・人・出来事、何でもOK)
  2. それを別の言葉で言い換えると?(とらえかた変換のめがねで見てみましょう)
  3. その見方をすると相手や状況のどんな良さが見えてくる?
  4. その見方をすると自分の感情がどのように変わるか感じとる

たとえばこんな具合に。

1、新人教育が大変

2、育成力を向上させるチャンス、新しいスキルを手に入れる良い機会

3、自分だからこそ乗り越えることができる、手に入れたら一生使えるスキル

4、前向きな気持ち、チャレンジ精神が湧いてくる

最初はうまくいかなくても大丈夫です。

とらえかた変換は、筋トレと同じで、続けるほどに自然とできるようになっていきます。

そしてそのめがねを持ったリーダーが発する言葉は、チームに温かく、力強く届いていきます。



言葉は、見方から生まれます。

見方が変われば、言葉が変わる。

言葉が変われば、感情が変わる。

感情が変われば、行動が変わる。

今日、あなたのチームの誰かに、とらえかた変換の言葉をかけてみませんか?

その一言が、その人の人生の角度を変えるかもしれません。

講演、研修をして終わりではなく、その後の変化を起こし企業様の繁栄に繋がる関わりを心掛けております。

講演研修のご依頼、お問い合わせはこちらよりお願い致します。

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この記事を書いた人

一般社団法人ひとみらい共育LABO代表理事、一般財団法人日本ペップトーク普及協会理事、プロコーチ、講演家、みどり整骨院院長。ペップトーク、心理学とコーチングを融合した独自メソッドにより、組織の「心理的安全性の向上」と「自律型人材の育成」を支援。経営者やリーダーが発する「言葉」の質を変えることで、離職率の低下やチームの生産性向上に寄与する研修講演をしている。
年間多数の企業研修・講演に登壇し、現場の痛みがわかる実践家としての視点と、心に火をつけるペップトークの技術を融合させた講義は「現場が即座に活性化する」と定評がある。

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